欧州連合(EU)の地中海加盟9カ国(MED9)の首脳はキプロス西部の沿岸都市パフォスで第11回首脳会議を開催し、議長国キプロスのニコス・フリストドゥリディス大統領の主導のもと、緊迫する中東情勢の沈静化、不法移民対策、および欧州の産業競争力強化を柱とする「パフォス宣言」を採択した。

会議にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領、イタリアのジョルジャ・メローニ首相、スペインのペドロ・サンチェス首相、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相をはじめポルトガル、マルタ、クロアチア、スロベニアの首脳が出席し、フォン・デア・ライエン欧州委員長とヨルダンのアブドラ2世国王も加わった。

中東における即時停戦の要求と国連レバノン暫定隊(UNIFIL)の安全確保

アブドラ2世国王を交えた戦略セッションで各国首脳は、ガザ地区とレバノンの双方における即時停戦と人質の解放、そしてキプロスが主導する海上人道回廊「アマルシア」を通じた支援物資の継続的な搬入を強く呼びかけた。

また首脳らは、レバノン南部に展開する国連レバノン暫定隊(UNIFIL)の拠点近くで相次いだ軍事攻撃に深刻な懸念を表明した。フランス、イタリア、スペインなどMED9の主要国が多数の要員を派遣していることから、国連要員へのいかなる攻撃も国際人道法違反であると非難した。

“地中海は欧州の戦略的安全保障の交差点に位置しており、中東における即時の外交的緊張緩和、国連平和維持部隊への完全な尊重、そして統一された欧州競争力アジェンダが不可欠である。” — ニコス・フリストドゥリディス(キプロス共和国大統領)

欧州の産業競争力強化に向けた構造改革と地中海ルートでの不法移民対策

EU域内の経済課題に関しては、欧州の生産性ギャップを埋めるための構造改革の迅速な実行を求め、とりわけ国境を越えたクリーンエネルギー送電網の連結や地中海地域の気候変動適応への資金供給、資本市場同盟の深化を優先事項に掲げた。

さらに移民政策では、来週ブリュッセルで開かれる欧州理事会(EU首脳会議)に先立ち、対外的な国境管理の強化とともに北アフリカやレバント地域の出身国・通過国との包括的な戦略的パートナーシップを構築し、人身売買組織の摘発を進める方針を確認した。

Frequently Asked Questions

欧州連合(EU)内のMED9グループにはどの国が加盟していますか?

MED9は、キプロス、クロアチア、フランス、ギリシャ、イタリア、マルタ、ポルトガル、スロベニア、スペインの南欧・地中海EU加盟9カ国で構成されています。

キプロスで開催されたパフォスMED9首脳会議の主な成果は何ですか?

ガザとレバノンでの即時停戦およびUNIFIL平和維持部隊の保護を求める「パフォス宣言」を採択し、同時にエネルギー網連結や産業競争力強化に向けたEU投資の加速で合意しました。

Sources

MED9首脳会議 欧州連合 キプロス 中東停戦 UNIFIL 欧州競争力