米航空機大手ボーイングは、ストライキを継続している3万3000人の機械工労組に対し提示していた30%の基本給引き上げ案を突然撤回し、労使交渉を中断しました。シアトルで行われた連邦政府仲介による2日間の集中調停が決裂したことを受けたもので、事態打開の道筋は見えなくなっています。

国際機械工・航空宇宙労働者組合(IAM)地区751は、4年間で40%の賃上げと10年前に廃止された確定給付型企業年金の復活を強く求めています。ボーイング経営陣は、組合執行部が譲歩案の組合員投票実施を拒否したため、これ以上の協議継続は無意味であると判断しました。

連邦調停の決裂と不当労働行為申立ての法的手続き

交渉打ち切り直後、ボーイングは全米労働関係委員会(NLRB)に対し、組合側が不誠実な交渉態度を取り不当労働行為を行ったとして正式に申立てを行いました。会社側は、組合幹部が過大な要求を掲げ、会社提案の内容を正しく組合員に伝えていないと批判しています。

これに対し組合側は猛反発し、ボーイング経営陣は長年のインフレで疲疲れした熟練技術者の生活実態を軽視していると主張しました。IAMの交渉担当者は、尊厳ある公正な合意に達するまでストライキのピケラインを維持し続ける姿勢を強調しています。

“遺憾ながら、組合は当社の提案を真剣に検討せず、競争力を維持する上で到底受け入れられない過大な要求を突きつけてきました。” — ステファニー・ポープ(ボーイング民間航空機部門社長兼CEO)

主力機生産停止の長期化と巨額キャッシュ流出の懸念

ストライキの長期化により、ワシントン州ピュージェット湾周辺の工場では主力小型旅客機737MAXや大型機777、貨物機767の最終組み立てが完全にストップしています。航空アナリストの試算によると、稼働停止による現金の流出額は月間10億ドルを超えています。

この操業停止は世界各国の航空部品サプライヤーにも深刻な余波を及ぼしており、過剰在庫と資金繰り悪化が広がっています。納入遅延に悩む航空会社からの督促や格付け機関による格下げリスクが高まる中、双方は早期妥協への強いプレッシャーに直面しています。

Frequently Asked Questions

ボーイングが30%賃上げ案を撤回した理由は何ですか?

連邦調停において組合側が会社提案の検討を拒絶し、競争力を損なう過大な要求を崩さなかったためとボーイングは説明しています。

ストライキによってどの機種の製造が停止していますか?

米ワシントン州およびオレゴン州の工場におけるボーイング737MAX、777、767の最終組み立て工程が停止しています。

Sources

ボーイング 機械工ストライキ 航空宇宙産業 IAM751 労使紛争 ボーイング737MAX