サウジアラビアと日本は11日、サウジの首都リヤドで「日・サウジ・エネルギー閣僚対話」および投資ラウンドテーブルを開催し、戦略的エネルギー同盟を一段と深化させた。サウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー相と日本の武藤容治経済産業相が共同議長を務め、長年にわたる伝統的な原油取引にとどまらず、クリーン水素や低炭素アンモニア、重要鉱物へと協力領域を広げる複数の覚書(MoU)に署名した。
石破茂内閣の発足後に武藤経産相にとって初の海外出張となった今回の会談では、世界のエネルギー安全保障を確保するため、安定した炭化水素(石油・ガス)の供給と現実的な脱炭素化の道筋を同時に進める必要があるとの認識で一致した。サウジアラビアは日本にとって最大の原油供給国であり、沖縄の共同石油備蓄基地を拠点に日本の原油輸入量の約4割を担っている。
クリーン水素・低炭素アンモニアの商用化と循環型炭素技術の推進
新たなクリーンエネルギー合意のもと、サウジアラムコやSABIC、ACWAパワーは、JERAや三菱商事、三井物産、IHIをはじめとする日本の電力大手・総合商社・重工メーカーとの技術・商業連携を拡大する。日本の火力発電所での混焼発電に向けたブルーおよびグリーン・アンモニアの海上輸送網の構築や、二酸化炭素の回収・利用・貯留(CCUS)、合成燃料(e-fuel)の共同開発が柱となる。
リヤド合意のもう一つの柱は、重要鉱物および産業サプライチェーンの強靭化だ。サウジアラビア産業・鉱物資源省および国営鉱山会社マーデン(Ma'aden)と連携し、日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)や民間企業がアラビア楯状地やアフリカ、中央アジアなどのパートナー地域において、銅、ニッケル、リチウム、レアアース(希土類)の共同探鉱・加工・精錬事業を検討する。
“サウジアラビアと日本は、数十年にわたる信頼のエネルギーパートナーシップを、クリーン水素、低炭素アンモニア、そして強靭な重要鉱物サプライチェーンという新たなフロンティアへと拡大している。” — 日本国経済産業省(METI)
「日・サウジ・ビジョン2030」に基づく重要鉱物サプライチェーンの強靭化
今回の閣僚合意は、両国が推進する「クリーンエネルギー協力のためのライトハウス(灯台)・イニシアティブ」および包括的な「日・サウジ・ビジョン2030」を前進させるもので、サウジの産業多角化戦略と日本のグリーントランスフォーメーション(GX)戦略を結びつけている。投資ラウンドテーブルでは、太陽光発電や定置用蓄電池、医療技術、海水淡水化分野での企業間協力文書も交わされた。
双方はまた、中東の生産者とアジアの産業需要家との間で長期引き取り契約(オフテイク契約)を促進するため、低炭素水素およびアンモニアの透明性の高い国際認証基準を確立することが不可欠であると強調した。会合は、今後のG20および国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)に向けて実務者作業部会を加速させることを確認して閉幕した。
Frequently Asked Questions
サウジアラビアと日本はリヤドでどのような合意に署名しましたか?
クリーン水素および低炭素アンモニアの商用サプライチェーン構築、循環型炭素(カーボンリサイクル)技術の開発、ならびに重要鉱物の採掘・精錬への共同投資に関する協力覚書に署名しました。
リヤドでの日・サウジ・エネルギー閣僚対話は誰が主導しましたか?
サウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー相と、日本の武藤容治経済産業相が共同議長を務めました。

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