スペインの鉄道インフラ管理公社「Adif」は、国家市場競争委員会(CNMC)の監督の下、旅客高速鉄道の市場開放(自由化)における第2段階の公募手続きを正式に開始しました。この歴史的な施策により、国内3つの主要都市間回廊において1日合計72本以上の高速列車運行枠が開放されます。

今回対象となる路線は、マドリード〜ガリシア回廊、パハレストンネルを経由するマドリード〜アストゥリアス/カンタブリア軸、そしてマドリード〜カディス/ウエルバを結ぶ南部回廊です。国営のRenfeに加え、民間参入を果たしたIryo(イルヨ)とOuigo(ウィゴ)が複数年の線路使用権を競合申請します。

オープンアクセス競争が北部および南部の回廊へ拡大

マドリードとバルセロナ、バレンシア、セビリアを結ぶ路線で2020年末に始まった第1段階の自由化は、欧州の鉄道業界に革命をもたらしました。3社による競争の結果、路線全体の旅客数は22%急増し、平均乗車運賃は最大40%も低下して鉄道利用の民主化が進みました。

今回開放される路線は、欧州標準軌とスペイン広軌を結ぶ軌間可変装置の通過や、欧州統一列車制御システム(ERTMS)レベル2への対応など、高度な技術的適合性が求められます。参入事業者はこれらの線路条件に合致した専用車両を用意する必要があります。

“Expanding open-access high-speed rail competition to northern and southern corridors democratizes sustainable passenger travel, lowers fares, and optimizes national rail infrastructure.” — アンヘル・コントレラス(Adif総裁)

旅客数22%増と運賃大幅低下がもたらしたモビリティ革命

この市場開放により、スペインは欧州連合(EU)内で最も競争が活発で運行密度の高い高速鉄道網を確立しました。総延長4000キロを超える欧州最長の高速新線インフラの利用率を極限まで高めることで、Adifは国内線航空便や自家用車からのモーダルシフトを強力に推進しています。

線路容量の枠組み契約は2025年半ばまでに正式締結され、2026年中に新たな民間列車の運行が順次開始される見込みです。ガリシアやカンタブリア海沿岸、アンダルシア西部の数百万人の住民に、より安価で利便性の高い鉄道の旅が届くことになります。

Frequently Asked Questions

スペインの高速鉄道自由化第2段階の対象路線はどこですか?

マドリード〜ガリシア、マドリード〜アストゥリアス/カンタブリア、マドリード〜カディス/ウエルバの3回廊です。

スペインの高速鉄道市場で競合している列車事業者はどこですか?

国営のRenfeに対し、仏SNCF系のOuigoと伊トレニタリアが出資するIryoが参入して競合しています。

Sources

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