人工知能開発で世界を牽引する米OpenAIにおいて、最高技術責任者(CTO)を務めるミラ・ムラティ氏が水曜日に突如として退社を表明しました。この発表から数時間のうちに、最高研究責任者のボブ・マクグルー氏および研究担当副社長のバレット・ゾフ氏も辞任を明らかにし、同社の屋台骨を支えてきた技術中枢が一度に崩れる異例の事態に発展しています。

2018年に入社したムラティ氏は、世界的な社会現象となったChatGPTをはじめ、画像生成モデルのDall-Eや最新のGPT-4oの開発・公開を総責任者として指揮してきました。全社向けのメッセージにおいて彼女は、自分自身の探求のための時間と余白を作りたいと退任理由を説明しています。2023年11月にサム・アルトマンCEOが一時解任された際には、暫定CEOも務めました。

ChatGPTの生みの親たちによる電撃的な同時離脱

ムラティ氏の声明を受け、サム・アルトマンCEOはソーシャルメディア上でマクグルー氏とゾフ氏の退任も公表しました。アルトマン氏は円満な退職であると強調したものの、主要な技術リーダー3名が同日に離脱したことは、同社にとって創業以来最大の頭脳流出と受け止められています。

今回の辞任劇は、OpenAIが企業評価額1500億ドルで65億ドル規模の巨額資金調達をまとめようとしている極めて重要な局面に重なりました。同時に同社は、非営利組織による管理体制を廃止し、より一般的な営利目的の公益法人へと組織改編を進める計画を進めています。

“I'm stepping away because I want to create the time and space to do my own exploration. For now, my primary focus is doing everything in my power to ensure a smooth transition, maintaining the momentum we've built.”

営利法人への組織転換と問われるAI安全性への誓約

この営利組織化を巡っては、商業的利益の追求がAIの安全管理を凌駕するのではないかとの懸念が社内外から噴出しています。今年前半にも、共同創業者であるイリヤ・サツケヴァー氏や安全性担当のアライメント責任者ヤン・ライケ氏が安全軽視を理由に離脱していました。

指導部の空白を埋めるため、アルトマンCEOはマーク・チェン氏を研究担当上級副社長に昇格させ、マット・ナイト氏を最高情報セキュリティ責任者に任命しました。同社は開発体制を迅速に再編し、次世代推論モデルの開発スケジュールを堅持すると強調しています。

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