総選挙による「ハング・パーラメント(宙づり議会)」から2カ月半、フランスのミシェル・バルニエ首相は20日、エリゼ宮(大統領府)でエマニュエル・マクロン大統領に新内閣の閣僚人事案を正式に提出した。

EUのブレグジット(英離脱)交渉官を務めた73歳のベテラン政治家バルニエ氏は、左派、中道、極右の3勢力に分裂した議会を乗り切るため、マクロン派と自身の出身母体である保守・共和党(LR)による連立の枠組みを構築した。

3分割された国民議会における脆弱な少数連立

新内閣では治安・移民対策を担う内相に右派強硬派のブルーノ・ルタイヨー氏が起用される見通しである一方、財務・経済関連ポストにはマクロン路線を継承する人物が配される。

新政権の最大の課題は、国内総生産(GDP)比で5.6%超に達する見込みの財政赤字の再建であり、EUの財政規律違反是正手続きを回避するため10月1日までに2025年予算案を取りまとめる必要がある。

“フランスには即座に行動できる政府が必要です。イデオロギーにとらわれず、国の財政難を克服するための経験豊かなチームを編成しました。”

財政危機に伴う2025年予算案提出と内閣不信任の脅威

しかし、総選挙で最多議席を獲得しながら政権から排除された左派連合「新人民戦線(NFP)」は、政権発足と同時に内閣不信任決議案を提出する構えを崩していない。

政権の命運はマリーヌ・ルペン氏率いる極右「国民連合(RN)」が握っており、同党は即座の不信任には慎重な構えを見せつつも、予算案の内容次第で対応を決める意向を示している。

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