世界の半導体業界に激震が走った。スマートフォン向けプロセッサ大手の米クアルコムが、経営難に苦しむ老舗インテルに対して買収を打診したことが明らかになった。米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたこの予備的接触は、半導体業界の勢力図を根本から塗り替える可能性を秘めている。

交渉は極めて初期段階にあり、正式な株式公開買い付け等に至るかは不透明だが、米国の2大チップ企業が統合されれば、マイクロソフトによるアクティビジョン買収(690億ドル)を上回るIT史上最大の企業買収となる。

苦境のシリコンバレー象徴企業への大胆な一手

インテルはパソコンやサーバー向けCPU市場で長年君臨してきたが、近年は競合AMDにシェアを奪われ、スマートフォン向けチップやエヌビディアが主導するAI専用アクセラレータの波に乗り遅れた。

パット・ゲルシンガーCEOは先月、1万5000人の人員削減や配当停止、ファウンドリ事業の分社化などの大改革を発表した。PC市場への本格参入を目指すクアルコムにとって、インテルの顧客網は魅力的な標的となる。

“クアルコムとインテルの統合は世界の半導体サプライチェーンを根本から変革するが、各国での独禁法審査の壁は途方もなく高い。”

独占禁止法の壁と自社工場(ファウンドリ)の重荷

しかし、クアルコムは製造をTSMCに委託する「ファブレス」企業であるのに対し、インテルは巨額の投資が必要な自社工場網を抱えており、ビジネスモデルの違いが大きな課題となる。

さらに、米国、欧州連合(EU)、そして中国の独占禁止法当局が、市場支配力の集中や地政学的懸念から厳しい態度をとることは必至とみられている。

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