ドイツのオラフ・ショルツ首相は20日(金)、欧州連合(EU)が年末に施行を予定している「森林破壊防止規則(EUDR)」について、施行を延期するよう欧州委員会に正式に要請したことを明らかにしました。ベルリンで開催されたメディア会議で言及しました。

2023年に採択されたEUDRは、2024年12月30日から施行される見通しでした。牛、ココア、コーヒー、パーム油、ゴム、大豆、木材をEU域内に輸入・販売する企業に対し、2020年以降に森林破壊された土地で生産されていないことを衛星位置情報などで証明する義務を課すものです。

出版・林業セクターが訴える事務負担とシステムの未整備

環境団体は森林保護の切り札として歓迎する一方、ドイツの書籍出版協会や製紙連盟、林業組合は、EU側のIT登録プラットフォームが未完成で機能不全に陥っているとし、サプライチェーン寸断の危機を訴えていました。

ショルツ首相は、環境保護の重要性を認めつつも、印刷用紙の調達難や中小林業者の事務倒れを招くような過度な官僚主義は回避されなければならないと強調しました。

“森林破壊防止規則は実効的でなければなりません。企業が抱える実務上の疑問が解消されるまで適用を停止すべきだとフォンデアライエン委員長に伝えました。”

主要貿易相手国からの批判と欧州委員会の対応

今回のドイツの動きは、かねてよりEUDRを「技術的に実行不可能かつ保護主義的」と批判してきた米国、ブラジル、インドネシア、マレーシアなどの通商相手国の立場と歩調を合わせる形となりました。

欧州委員会はショルツ首相の要請を認識しているとした上で、ルールの基本骨子を維持しつつも、段階的な適用猶予などの実務的措置を検討している模様です。

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