フランスの消費者物価インフレ率が9月に急速に減速し、ユーロ圏第2の経済大国において約3年2カ月ぶりとなる低水準を記録した。フランス国立統計経済研究所(INSEE)が金曜日に発表した速報値によると、欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(HICP)は前年同月比1.5%の上昇にとどまり、8月の2.2%から急低下した。

国内基準のCPI上昇率は前月の1.8%から1.2%へと低下し、前月比ベースではマイナス1.1%の大幅な下落となった。今回の下落の最大の原動力となったのは、ガソリンや軽油など石油精製燃料価格の急落である。これに加え、夏の行楽シーズンの終了に伴う航空運賃や宿泊サービスの季節的な値下がりが寄与した。

石油製品の急落と五輪特需の剥落による3年ぶりのインフレ沈静化

特に、7月と8月に開催されたパリ2024オリンピック・パラリンピックに伴う観光需要の高まりで一時的に跳ね上がっていたサービス価格が、大会終了とともに急反落した。ホテル宿泊料や交通費のプレミアムが剥落したことで、エネルギー安と相まって家計の生活防衛に大きく貢献した。

食品価格の前年比上昇率は0.5%にとどまり、2023年初頭に記録した2桁台の高騰から完全に正常化軌道に入った。耐久消費財を中心とする工業製品価格も前年比0.3%下落し、国内の政治的不透明感などを背景とする消費の鈍さを補うため、小売企業による積極的な値下げ販促が行われている実態が浮き彫りとなった。

“フランスのインフレ率は欧州の目標である2%を明確に下回り、金融環境の正常化に伴って企業と消費者に不可欠な一息をもたらしています。”

ユーロ圏経済の減速とECBによる金融緩和ペースの加速

スペインの9月インフレ率が1.7%に急低下したことと併せ、フランスの物価急減速は、欧州中央銀行(ECB)の政策担当者が想定していたよりもはるかに速いペースでユーロ圏のインフレ沈静化が進んでいる決定的な証拠となった。ユーロ圏中核国の物価指標は揃って目標の2.0%を割り込んでいる。

この結果を受け、国際金融市場ではECBが10月17日の次回理事会で25bpの追加利下げを実施する確率がほぼ確実視されるに至った。フランスの民間製造業の受注悪化や借入金利の高止まりが設備投資を冷え込ませていることから、景気後退を防ぐための利下げ加速を求める圧力が高まっている。

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