米司法省は27日までに、ドナルド・トランプ前大統領の2024年大統領選陣営を標的とした広範なサイバー諜報および「ハック・アンド・リーク(侵入・情報漏洩)」工作を企てたとして、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)のために活動していたハッカー3人を18の罪状で連邦大陪審が起訴したと発表した。

ワシントンで連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官とともに会見したメリック・ガーランド司法長官は、起訴されたのはマスード・ジャリリ(36)、セイエド・アリ・アガミリ(34)、ヤセル・バラギ(37)の3被告だと明らかにした。検察当局によると、3人はIRGC情報機関の指揮下にあるサイバー部隊「ミント・サンドストーム(別名APT42)」に所属していたとされる。

革命防衛隊によるスピアフィッシングと認証情報窃取の手口

コロンビア特別区の連邦地裁で開封された起訴状によると、工作員らは2020年1月ごろから米国の元国家安全保障高官や軍関係者、選挙陣営顧問らを標的に工作を開始した。巧妙なソーシャルエンジニアリングや偽のログイン画面、乗っ取った知人のアカウントを悪用し、今年5月から6月にかけてトランプ陣営幹部の個人メールアカウントへの不正侵入に成功した。

工作員らは侵入したアカウントから陣営の内部戦略文書や副大統領候補の身体検査資料、非公開のスケジュール通信などを窃取した。さらに架空のオンライン人物を装い、盗み出した内部資料を米メディアの記者やジョー・バイデン大統領陣営の関係者に送りつけたが、バイデン陣営側の関係者は誰一人として返信や利用をしなかったという。

“司法省は、権威主義体制が国家主導のサイバースパイ活動やハック・アンド・リーク工作を通じて我々の民主的プロセスを悪用しようとする試みを決して容認しない。”

米財務省による同時制裁と1000万ドルの情報提供報奨金

起訴状は3被告を通信詐欺の共謀、加重身分盗用、保護されたコンピュータへの不正アクセス、および指定外国テロ組織への物的支援などの罪に問うている。3人は現在もイラン国内に滞在しているとみられ、FBIの最重要指名手配サイバー逃亡犯リストに追加された。

これと連動して米財務省外国資産管理局(OFAC)は起訴された3人とIRGC関連の計7個人・団体に金融制裁を科し、米国務省の「正義のための報奨金」プログラムは3人の所在や逮捕につながる情報に最大1000万ドルの懸賞金を設けた。

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