米ニューヨーク市のエリック・アダムズ市長は金曜午前、マンハッタン南部の連邦地方裁判所に出廷し、連邦治安判事キャサリン・パーカーに対し、収賄、電信詐欺、共謀、外国人からの違法な選挙献金受領など計5つの連邦重罪について無罪を主張した。現職のニューヨーク市長が連邦法に基づき刑事起訴され罪状認否に臨むのは、同市の近代史上初めてのことである。

ニューヨーク州南部地区連邦地検が公開した57ページに及ぶ起訴状によると、疑惑はアダムズ氏がブルックリン区長を務めていた時期から約10年間に及ぶ。外国人実業家や外国政府関係者から、国際線のファーストクラスへの無償アップグレード、高級ホテルのスイートルーム宿泊、豪華な会食など、総額10万ドル以上の不当な利益を受け取ったと指摘されている。

現職市長として初の連邦起訴と罪状認否手続き

その見返りとして、アダムズ市長はマンハッタン中心部に建設中だった36階建ての外国領事館ビルについて、消防安全検査に合格していなかったにもかかわらず、市消防局幹部に圧力をかけて仮使用許可を出させた疑いが持たれている。さらに、公的な選挙公金マッチング制度を悪用し、架空の名義人を通じて多額の助成金を不正受給したとも告発された。

罪状認否の手続きにおいて、裁判所は保釈保証金を課さず、自己誓約による釈放を認めた。ただし保釈条件として、弁護人の立ち会いがない状態で起訴状に記載された証人や外国人関係者と直接接触することが禁じられた。なお米国内での移動の自由は制限されていない。

“裁判官、私は無罪です。私はこの街の市民によって選ばれた市長としての職務を全うし続け、法廷で私たちの潔白を証明することを心待ちにしています。”

市庁舎の動揺と高まる辞任要求への反論

裁判所を出たアダムズ市長は集まった報道陣に対し、強気の姿勢を崩さず、起訴は事実無根であり政治的思惑によるものだと反論した。弁護人を務める著名弁護士アレックス・スパイロ氏は、来年の再選出馬を妨害するための不当な司法リークであると検察側を非難し、迅速な公判手続きを求めた。

今回の起訴を受け、ニューヨーク市政は未曾有の混乱に直面している。すでに市警察本部長、教育長、首席法律顧問ら幹部が相次いで辞任に追い込まれた。民主党内からはホークル州知事に対して市長解任権の行使を求める声が高まっているが、知事は現時点で市政の安定運営を注視する姿勢を維持している。

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