韓国の半導体大手SKハイニックスは2026年9月23日、人工知能(AI)アクセラレータ向けに世界初となる12層積層の高帯域幅メモリ「HBM3E」(容量36ギガバイト=GB)の商業量産を開始したと発表しました。米エヌビディア(Nvidia)のAIデータセンター向けGPUに不可欠な最先端シリコンの供給において、同社は競合に対する優位性を一段と確固たるものにしました。
新たに量産される12層製品は、従来の8層積層(24GB)と比較してメモリ容量が50%向上しています。12枚のDRAMチップを垂直に積み重ねながらも、業界標準化団体JEDECが定める従来の8層品と全く同一のパッケージ厚「720マイクロメートル」を維持しました。これを達成するため、同社は個々のDRAMダイの厚みを40%薄型化し、シリコン貫通電極(TSV)で接続しました。
独自実装技術MR-MUFにより従来と同一パッケージ厚で容量50%増を実現
高密度積層に伴う発熱課題に対しては、SKハイニックス独自のパッケージング技術「アドバンスドMR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)」を採用しました。液状の保護材を微細端子間に均一に充填・硬化させることで、従来の熱圧着工法に比べ放熱性能を10%向上させ、超薄型ウェハーの反り(ワーページ)を完全に抑え込むことに成功しました。
性能面では、ピンあたり最大毎秒9.6ギガビット(Gbps)のデータ転送速度を誇ります。AI半導体に8個のHBM3Eを組み合わせた場合、システム全体のデータ処理能力は毎秒1.22テラバイト(TB/s)以上に達し、わずか1秒間でフルHD映画240本分に相当するデータを伝送可能です。
“世界初となる12層36GB HBM3Eの量産成功により、SKハイニックスはAIメモリ分野での圧倒的な技術的優位性を再び実証しました。ハイパースケーラーの急激な需要増に応える高品質なメモリの安定供給を継続します。”
AIインフラ特需で高まるHBM需要、競合を引き離す量産体制
SKハイニックスは、2026年第4四半期からエヌビディアをはじめとする主要顧客への出荷を順次開始することを明らかにしました。この36GB製品はエヌビディアの「Blackwell Ultra(B200)」や次世代アーキテクチャ「Rubin」に搭載され、GPUソケットあたりのHBM容量を192GBから288GBへと大幅に拡大させます。
今回の量産化は、同業のサムスン電子や米マイクロン・テクノロジーとの競争においてSKハイニックスのリードを決定づけるものです。2027年にはHBMが世界のDRAM市場全体の売上高の30%以上を占めると予測される中、SKハイニックスは生成AIブームに伴う収益の果実を最大限に享受する態勢を整えています。




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