外国為替市場では27日から28日にかけて円相場が対米ドルで約2%急伸し、一時1ドル=142円20銭台を付けた。自民党総裁選の決選投票で石破茂元幹事長が、積極的な金融緩和の継続を訴えていた高市早苗経済安全保障担当相を逆転で破ったことが直接のきっかけとなった。

1回目の投票で高市氏がトップに立った直後、為替市場では日銀の追加利上げを「アホやと思う」などと牽制してきた高市氏の勝利を織り込む形で円売りが加速し、1ドル=146円49銭付近まで円安・ドル高が進んでいた。

総裁選決選投票の逆転劇で為替市場が一気に円高へ転換

しかし、決選投票で石破氏が215票対194票で勝利すると、東京・ロンドン・ニューヨークの各市場で一斉に円買い戻しが殺到し、わずか数時間で4円以上の円高が進行した。石破氏は選挙戦を通じて植田和男総裁率いる日本銀行の独立性を尊重する姿勢を示し、過度な円安に伴う輸入食料品やエネルギー価格の高騰を抑えるうえでも段階的な金利正常化を容認する考えを示していた。

総裁選出後の記者会見で石破氏は、物価上昇を上回る実質賃金の持続的な引き上げと地方の中小企業支援、低所得世帯への機動的な財政措置を優先しつつ、金融政策の運営は日銀の専門的判断に委ねる方針を改めて強調した。

“我々の最優先の経済課題は、持続的な賃金上昇と地方創生、そして日本銀行の金融政策マンデートに対する深い尊重を通じて、日本がデフレから完全に脱却することを確実にすることだ。”

日銀の追加利上げ観測と東京株式市場への波紋

急激な円高進行は国内の金融資産にも明暗をもたらした。海外市場の日経平均先物は自動車や電機など輸出関連株への利益確定売りから下落した一方、国内金利の緩やかな上昇と利ざや改善を見込んだメガバンクや保険株には買いが集まった。

野村証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券の為替ストラテジストは、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げサイクルに入るなかで日本の次期政権が日銀の政策正常化を容認したことにより、日米金利差の縮小トレンドが明確になり、12月または来年1月の日銀追加利上げの公算が高まったと分析している。

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