フランスの予算・公会計担当相に就任したばかりのロラン・サン=マルタン氏は、国民議会(下院)財務委員会で厳しい警告を発し、2024年の公的部門の財政赤字が国内総生産(GDP)比6.0%を超える軌道にあると明らかにした。この見通しは、前政権が今年春に掲げていた5.1%の赤字目標から大幅な悪化を意味するものであり、すでに2023年の実績が予想外の5.5%へ拡大したのに続く事態となっている。
ミシェル・バルニエ首相の下で就任して以来初めてとなる議会公聴会で、サン=マルタン氏はフランスの公的財政の現状を「危機的」と表現した。財務省の監査により、今夏の国民議会解散・総選挙に伴う数カ月間の政治的空白の間に、予算外の財政悪化が数百億ユーロ規模で積み上がっていたことが判明し、少数与党である新政権の財政余地は極めて限られている。
税収の落ち込みと地方自治体歳出の膨張
経済・財務省の分析によると、赤字拡大の背景には主に二つの要因がある。第一に、法人税、不動産取引税、および付加価値税(VAT)からの税収が当初予測を大幅に下回ったこと、第二に、地方自治体による運営費や投資支出が予想外に急増したことだ。今年初めに100億ユーロ規模の歳出取り消し政令が発動されたにもかかわらず、国および社会保障関連の支出は歳入の伸びを上回り続けている。
年末までに赤字がさらに膨らむのを防ぐため、サン=マルタン氏は2024年の残り期間について、各省庁の予算枠をさらに数十億ユーロ規模で即時凍結・削減すると発表した。さらに政府は、約400億ユーロに上る歳出抑制と対象を絞った増収策を精査する時間を確保するため、2025年予算法案(PLF)の正式な提出を法定慣例の10月1日から10月10日へ延期することを確認した。
“我が国の公的財政の状況は危機的であり、歳出と歳入の双方で直ちに是正措置を講じなければ、2024年の財政赤字はGDP比6%を超える恐れがある。”
2025年予算法案の提出延期と債券市場の警戒感
パリでの財政警報は、今年すでにフランスを「過剰赤字是正手続き(EDP)」の対象とした欧州委員会や、主要格付け会社からの監視を一段と強める結果となった。ブリュッセルの改正財政ルールでは、財政赤字がGDP比3.0%を超え、債務残高が同60%を超える加盟国は複数年の構造的財政再建計画を提出しなければならない。フランスの公的債務残高は現在GDP比110%を超え、3兆1500億ユーロ以上に達している。
金融市場は財政見通しの悪化に敏感に反応し、フランスの指標10年物国債(OAT)利回りは2.97%近辺で推移し、ユーロ圏債務危機以来初めてスペインの借入コストと一時並ぶか上回る場面が見られた。バルニエ政権は現在、深く分断された議会で合意を探りつつ、省庁予算の削減と並行して、高収益の大企業や富裕層に対する時限的な特別課税の導入を検討している。




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