欧州中央銀行(ECB)が27日に発表した8月の月例消費者期待調査によると、ユーロ圏の消費者による短期および中期の期待インフレ率は約2年半ぶりの低水準に低下した。物価上昇圧力の鎮静化が鮮明となったことで、10月17日の政策理事会での2会合連続利下げに向けた論拠が一段と強まった。
ユーロ圏11カ国の成人約1万9000人を対象とした同調査では、今後12カ月間の期待インフレ率(中央値)が7月の2.8%から8月は2.7%へ低下し、2021年9月以来の低水準となった。さらに金融政策当局が重視する3年先の期待インフレ率も2.4%から2.3%へと下がり、ロシアのウクライナ侵攻直前にあたる2022年2月以来の低水準を記録した。
3年先の消費者物価見通しが2022年初頭以来の低水準に改善
過去12カ月間の体感インフレ率も7月の4.1%から3.9%へ鈍化した。一方で、回答した家計は今後1年間の名目所得伸び率を1.2%と予想しつつ、ドイツやイタリアの製造業不振を背景にユーロ圏経済全体は0.9%縮小するとの慎重な見方を維持した。
ECBの調査発表と同日にフランスとスペインの統計当局が発表した9月の消費者物価指数(HICP)速報値も市場予想以上に急低下した。フランスの9月インフレ率は8月の2.2%から1.5%へ急落し、スペインも2.4%から1.7%へと低下して、ユーロ圏主要4カ国のうち2カ国がECBの中期目標である2%を大きく割り込んだ。
“ユーロ圏の消費者は現在、1年先および3年先の双方の時間軸において、インフレ率が政策理事会の中期目標である2%に向けて着実に収束していると認識している。” — 欧州中央銀行(ECB)消費者期待調査レポート
フランスとスペインの2%割れが10月連続利下げ観測を決定的に
ECBはすでに6月と9月に中銀預金金利をそれぞれ25ベーシスポイント引き下げて3.50%としており、クリスティーヌ・ラガルド総裁や理事会メンバーは当初、四半期ごとのスタッフ経済見通し更新に合わせた段階的な利下げペースを示唆していた。
しかし、家計のインフレ期待の安定、フランス・スペインでの2%割れ、そしてユーロ圏民間部門の購買担当者景気指数(PMI)の悪化が重なったことで、欧州の金利スワップ市場では10月理事会で中銀預金金利がさらに25ベーシスポイント引き下げられ3.25%となる確率が80%超まで織り込まれた。
Frequently Asked Questions
ECBの消費者期待調査で3年先の期待インフレ率はどの程度になりましたか?
3年先の消費者期待インフレ率(中央値)は7月の2.4%から8月は2.3%へ低下し、2022年2月以来の低水準となりました。
なぜ金融市場では10月のECB追加利下げ観測が急速に高まったのですか?
フランス(1.5%)とスペイン(1.7%)のインフレ率が2%を下回り、消費者の期待インフレ率低下とユーロ圏PMIの景気減速シグナルが重なったため、ECBが10月にも連続利下げに踏み切るとの見方が広がりました。




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