国際共同研究チームは22日までに、中国新疆ウイグル自治区のタリム盆地で出土した約3600年前の青銅器時代のミイラから古代DNAを抽出し、ミイラの首や顔に付着していた有機物が世界最古のケフィアチーズであることを突き止めた。

米科学誌セル(Cell)に掲載された論文によると、タクラマカン砂漠の小河墓地から発掘された試料は、砂漠の極端な乾燥と塩分によって奇跡的に分解を免れ、分子レベルで保存されていた。

タクラマカン砂漠のミイラが守った太古の発酵乳DNA

中国科学院古脊椎動物古人類研究所などの遺伝学者らは、この有機物がウシやヤギの乳を原料とし、乳酸菌「ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス」と酵母によって発酵された固形ケフィアであることを証明した。

これまでケフィアの発祥地は北コーカサス地方のみと推定されていたが、今回のゲノム解析により、3500年以上前のユーラシア中央部で独自の進化を遂げた発酵乳文化が存在していたことが確定した。

“これは世界でこれまでに発見された最古のチーズ標本です。古代DNAは先史時代の牧畜民の食生活や技術を知る前例のない窓を開いてくれました。”

乳酸菌ラクトバチルスの3600年にわたる進化の道筋

検出された古代乳酸菌株を現代の産業用菌株と比較したところ、当時は抗生物質耐性遺伝子を持たず、ファージ防御機構にも違いが見られた。

発酵過程で乳中の乳糖が大幅に低減されていたことから、遺伝的に乳糖不耐症であった当時の牧畜民が、栄養豊富な乳タンパク質と脂質を安全に摂取する知恵を持っていたことが裏付けられた。

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