メキシコ上院は火曜日未明、13万人を超える規模を誇る連邦治安組織「国家警備隊(グアルディア・ナシオナル)」の作戦、管理、および予算上の指揮権を、正式に国防省(SEDENA)に移管する包括的な憲法改正案を可決した。これにより、国内の文民警察機構が恒久的に国軍の直接的な統制下に置かれる歴史的な治安体制の再編が決定した。

ロペスオブラドール現大統領が率いる与党モレナとその連立与党は、激しい討論の末に賛成86票、反対42票を獲得し、憲法改正に必要な3分の2の絶対多数を確保した。法案は今後、与党が多数を握る各州議会での形式的な承認手続きを経て発効する。

政権与党による治安機関再編の決定的勝利

退任間近のロペスオブラドール大統領が推進し、次期大統領のクラウディア・シェインバウム氏も支持を表明していたこの改革は、麻薬カルテルによる治安組織の汚職を断ち切ることを目的としている。与党議員らは、過去の連邦警察長官が米国で麻薬密売幇助により有罪判決を受けた事例を引き合いに出し、軍の規律こそが腐敗抑止の唯一の防壁であると主張した。

新たな憲法規定のもとで、国家警備隊に配属される軍出身者は軍人としての身分や軍人恩給を維持し、犯罪行為についても一般の刑事裁判所ではなく軍法会議の管轄に服する。また、検察の指揮下で刑事事件の現場捜査権限も行使できるようになる。

“この改革は国家警備隊が決して腐敗しないことを保証し、メキシコ国民を守る規律正しく揺るぎない組織を約束するものです。”

文民統制の後退と軍事化に対する国際的懸念

野党各党は一斉に反対票を投じ、平時の国内警備に軍を恒久投入することは立憲民主主義の文民統制の原則を破壊するものだと批判した。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)やアムネスティ・インターナショナルも、市民との日常的な接触を想定していない軍隊による人権侵害のリスクを警告している。

この法制化により、間もなく就任するシェインバウム新大統領は、シナロア州やチアパス州で激化する麻薬組織間の抗争に対し、軍と完全に統合された巨大な執行力を手中に収めることになる。

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